山をいくつか越えたところに元植字工のイギリス人版画家夫妻が住んでいて、あるクリスマスの夜に家族で食事に招かれたんですが、そのときに生まれて初めてクリスマスプディングというものを口にしました。童話でよんだことがあるようなないような、異国情緒たっぷりのそのおいしそうな食べものは、しかし、見た目の格好の良さとはうらはらになんだか変な味がして、とはいうものの、高い声で少しおかしな日本語を話す笑顔のイギリス人の前で、それをまずいと断じる気はさらさらおこらず、このクリスマスプディングというものの中には、遠く離れた場所で、長い時間をかけて積み重ねられてきた僕の知らない振る舞いや感情の固まりが、ツブツブになって混ざっていて、その上っ面をペロリとしただけでめったなことをいうべきではなかろう、とそんな難しいことを考えたわけではもちろんないけれど、格好よいのに変な味、そういうこともあるのだなぁ、この味には何かわけがあるんだろうなぁ、なんかどきどきするなぁと思ったのでした。
余談ですが、そのイギリス人版画家は多色刷りをキリッと仕上げるのがめっぽう巧い人でありました。
2012年12月25日火曜日
2012年12月24日月曜日
こんな
雪の日には、こんななんの変哲のない街灯の下でもサテュロスめいたものに出会えたりしてとか思っちゃったが、考えてみれば僕はすでに子どもではなく、どちらかというとサテュロスめいた風貌であり、だからむしろここで出会った子どもを家に招くがわなのである。そして氷像にされてしまうのである。
2012年12月15日土曜日
アルル(フランス)にて
展示に参加いたします。
une brève illustration du Japon
日本の束の間のイラストレーション
会期:12月15日〜29日
会場:atelier cinq (5, rue a. tardieu 13200 Arles)
une brève illustration du Japon
日本の束の間のイラストレーション
会期:12月15日〜29日
会場:atelier cinq (5, rue a. tardieu 13200 Arles)
近くにお住まいの方、御旅行で近くにお立寄りの方は是非。
2012年12月13日木曜日
2012年12月11日火曜日
絵本について:続報
絵本『The Adventures of a mouse』/ Lirabelle社
日本語訳版の小冊子をつくりました。
絵本に添えて安曇野絵本館様、ブックギャラリーポポタム様にてお取り扱いいただいております。
※すでに絵本をご購入いただいた方で、小冊子をご希望の方がいらっしゃいましたらお手数ですが、
mailアットkajiweb.com までお知らせください。
日本語訳版の小冊子をつくりました。
絵本に添えて安曇野絵本館様、ブックギャラリーポポタム様にてお取り扱いいただいております。
※すでに絵本をご購入いただいた方で、小冊子をご希望の方がいらっしゃいましたらお手数ですが、
mailアットkajiweb.com までお知らせください。
2012年11月22日木曜日
新しい
試みをふわふわしたまま始めると十中八九失敗することは分かっているが、でも成功を確信してるときだって失敗することの方が多いわけだからやってみるほかあるまい、案外うまくいったりして、とか思っちゃって始めてはみたものの、おそらく失敗するであろう予感に胃がむかむかする。そして眠い。
2012年9月24日月曜日
最近
彼らの家に居ついた猫は、少し折れ曲がった尻尾(骨が曲がっているわけではないのだが)をクネクネと動かし、少しはなれた目でこちらを見るのだけれど、その視線は僕を通り越しさらに遠くの何かを見ているようで、怪(妖)しい。動き出す前に少しためらって何かを考えているような仕草や、背骨がないみたいにヌルっと甘えてくるようすや、ユラユラ揺れながらたたずむ姿はどうも猫らしくなくて、どこか遠くからやってきた「何か」のようなのだ、が、ニャーってなくし、きちんと大きな鳥なども捕ってくるようなので、ただの猫だ。ということにします。
2012年9月21日金曜日
絵本について
先頃フランスのLirabelle社より絵本が出版されました。
『The adventures of a mouse』
邦題:あるねずみのぼうけん(仮)
塔の上に住むひとりぼっちのねずみが旅にでる、孤独と恐怖と驚きと勇気と愛についてのお話です。
現在この絵本は安曇野絵本館さんでご購入いただけます(英語版のみ)。
(仏語版の販売については mailアットkajiweb.com までお問い合わせ下さいませ)
『The adventures of a mouse』
邦題:あるねずみのぼうけん(仮)
塔の上に住むひとりぼっちのねずみが旅にでる、孤独と恐怖と驚きと勇気と愛についてのお話です。
現在この絵本は安曇野絵本館さんでご購入いただけます(英語版のみ)。
(仏語版の販売については mailアットkajiweb.com までお問い合わせ下さいませ)
2012年8月15日水曜日
2012年8月2日木曜日
2012年8月1日水曜日
2012年7月24日火曜日
体質
なんだろうか、昔からいろいろな生き物に噛み付かれる。蛇は唇に噛み付き、ネコは鼻に噛み付き(まあここらへんは僕が相当にしつこくした結果なのだけれども)、小学校のスクールバスの中では同級生がひたすら僕の腕に齧り付いていたものである。甘噛み、というような感じではなくそれなりに激しく。家に帰ると腕にはガッチリ歯形がついていた。最近ではコガネムシ、何の勘違いか指に齧り付き放っておいたら半時間ほど離れない。そして今、見たことのない羽のはえた緑の小さな虫が手の甲に齧り付いている。というか、よくみると管をのばしてチュウチュウ何かを吸っている。とりあえず、そのままにしているんだが、ちくちく痛むのでそろそろやめて欲しいと思っている。
2012年7月19日木曜日
「兵士のハーモニカ」原画展示
「宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展」(世田谷文学館 2階展示室)内の併設展示「岩波少年文庫の挿絵原画展」にて、「兵士のハーモニカ」の原画が7点展示されます。
7月21日〜9月17日まで。
開館時間等詳細は世田谷文学館のウェブページにてご確認下さい。
7月21日〜9月17日まで。
開館時間等詳細は世田谷文学館のウェブページにてご確認下さい。
2012年6月16日土曜日
2012年4月29日日曜日
黄金のロボットと老いたドイツ皇帝
僕はパンキッシュな髪型の友人(さしてすきではない韓国のロックバンドのヴォーカルの人)となんとかフェス的なバンド大会に出演するべく地下鉄をおりたところで、無人の広大な駅構内の中でさっそく道にまよってしまっていたのだけれど、焦りもせずにゆったりとした気分で何かについて話をしながら十分少々さまよいあるくと、思っていたよりもあっさりと出口をみつけました。壊れて閉じたり開いたりガシャガシャしている自動ドアを我ながら旨い具合にくぐりぬけると、そこには老いたドイツ皇帝が膝をついて倒れており、その横では付き添いの黄金のロボットが皇帝に手を貸しています。ははん、タイミングをはかりそこねたのだな、やはり老いるということは、、などと考えていると、後ろからギャシャングシャンと大きな音が聞こえてきたのでおどろいて振り返るとボロを着た五十がらみの男が自転車をひき、ガラスのドアを割りながら豪快に出口をすすんでくるではありませんか。ほら、この出口はこうやって通るとうまくとおれるだろう?俺はいつもこうしてるんだ、というおじさんに愛想笑いを返して視線をもどすと、皇帝はロボットに手をひかれてもう随分先をあるいています。ああ、あのC3POに似た黄金のロボットはThe kidのチャップリンなのだな、なんかせつないな、と、そんな夢をみました。
2012年4月26日木曜日
2012年4月23日月曜日
2012年4月3日火曜日
2012年2月22日水曜日
2012年2月15日水曜日
2012年2月2日木曜日
2012年1月25日水曜日
2012年1月4日水曜日
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