KAJIWEBLOG : 11月 2015

2015年11月25日水曜日

メテオラ

の奇岩群をさらに10倍くらい高くした感じの建造物にすいすいすいすいーっと上って行く。だれだか思い出せないけど、同行者が1人あとからついてくる。表面はつるりとしているのだが、金属的な謎の建材の継ぎ目に細い溝があってそこに手をかけると面白いようにのぼれちゃう。ほぼほぼ頂上に来たところで、下を見たら急にこわくなって、おりたいんだけど、もうこれは絶対におりれない。くぼみのところでしゃがみながら「あぁ、もうダメだ、これは絶対死んじゃう。ここで餓死するか落ちるかどっちっかしかないじゃん。」とメソメソしていると、同行者が力強く「絶対大丈夫。なんとかなるよ」とはげましてくれるので、ひょいっと上をみると飛行機だか鳥だかなんだかわからない飛行物体が縄梯子をおろしてくれてあっさり助かり、うへーよかったーって思う。夢。

霧の中で聞える怪物のうなり声ははしゃいだ子供の笑い声であるかもしれず、歓喜の大歓声は喪失の嘆きであるかもしれず、そんな中聞える霧笛は心強いけれど、近づきすぎればその音はきっと失われてしまうのであるから、かすかにその音を聞きながら、それを愛しすぎることなく、前より幾分は陽気な気分になって歩いていくほかない。のか?

「霧の中で聞いたこと」

たんじあきこさん企画のグループ展、「霧の中で聞いたこと」、西荻窪URESICA様にて開催中です。どうぞよろしくお願いたします。
会期:〜12月7日まで(旧廊日:火曜)
時間:12:00〜20:00
(DMの絵は後藤美月さん)

2015年11月19日木曜日

秋から冬へとかわるある霧の朝、暗いもの思いに耽りながらふらふら散歩していると、ふいにラッパの音がひとこえ聞こえたのです。墓所からひびいたその霧笛よりも少し高いピッチの音が、ブラッドベリの灯台守が語るように永遠の時の悲しみと人生の短さを教えてくれていたのかどうかはわかりませんが、僕は何故だか少し愉快な気持ちになって、左耳に霧笛風ラッパの余韻を感じつつ散歩を終えたのでした。