KAJIWEBLOG : 黒髪の

2014年8月17日日曜日

黒髪の

少女とカワスミと呼ばれる少年を連れた女性(大層魅力的である)が、子供に勉強を教えてくれと訪ねてくる。僕の学生時代の同級生アンドウの結婚相手でどうやら僕とも面識があるらしい(が記憶にない)。子供の話を聞くうちになんとなくアンドウの話になり、途端、彼女が猛烈に怒りだす。なんでも、彼女が勝手に単車を買ったことに対しアンドウが「一言相談してくれても」的な小言を言ったったらしく、「だいたい彼は何かを本気で欲しいと思ったことなんて一度もないのよ。あんなにたくさん本を読んでいながら、座右の書の一冊もないんだから。あたしの気持ちなんて分かるはずない」というのが彼女の言い分。考えてみれば確かに思い当たるふしもあり、「何事にもコミットしないってことでしょうか」などと言ってみて、ああ、これは自分のことである、アンドウへの非難は僕への非難なのである、と思って一瞬凹む。が、いやいや、僕にはルパンの"奇岩城”や、"少年ケニヤ"などがあるから、非難されるにはあたらないのだ、と持ちこたえる。
 僕は外に出て、待っていた少年カワスミになにごとか話しかけ、カワスミはにやりと笑い、僕は彼の耳元で「冗談だよ」とささやく。仮眠中の夢の話。